From:SDGsジャーナル 河上伸之輔
先日、12月14日のライブ配信に車椅子YouTuberのMacoさんにお越しいただきました。
その際に、企業が決してやってはいけないバリアフリーやSDGsの視点について学びがありました。
ですので、バリアフリーを店舗などで取り入れている方、障がい者の方に向けて商品の販売や課題解決を模索している方は是非最後までこの記事をご覧ください。記事後半にて
あ、それうちもやってしまってた…
ということに気付いていただける企業が一社でもいればと思っています。
ある日突然失われた、下半身の自由
Macoさんは、お父さんの跡を継ぐために茅葺職人として働いていましたが、屋根から転落して下半身が動かなくなり車椅子生活となりました。
驚くべきはそのメンタルです。転落して下半身が動かなくなるだろうことに気付きながらも、記念に自撮りをしたそうです。そして、入院してすぐにの中でいろいろ調べはじめました。
- 治って歩いている人はいるの?
- 車椅子生活の日常はどんなのだろうか
- 仕事はできるのか?
- 遊びはどんなことができるの?
- 恋愛、結婚、出産はできるのか?
- 車椅子はどんなものがあって、どうやって手に入れるの?
このようなことをインターネットで検索しても、知りたい情報が手に入りませんでした。同世代の女子が車椅子の日常生活の情報も、楽しいと思える情報もありません。ネガティブな情報が多く、車椅子に乗ることは不幸なことのように思えてきたそうです。

しかし、英語で車椅子について検索すると、車椅子生活だけど楽しそうに生活している人がたくさんいたそうです。そして、楽しく生きるかどうかは自分次第と考えるようになりました。MacoさんがYouTuberになった理由がここにあります。車椅子での日常について、楽しく生きることについて発信することで、自分と同じような境遇に置かれてしまった人たちが前を向く自信を持てると考えるからです。
Macoさんは一人で海外旅行にも行かれますし、乗馬やチェアスキー、クレー射撃などスポーツにも挑戦されています。車椅子での車への乗り降り、再生医療の体験、排便や性事情など、人には聞けない、調べても出てこない情報をYouTubeでたくさん配信されています。
やってはいけない「バリアフリー」
Macoさんは、後天的に車椅子生活となったので、これまでの生活と車椅子生活での違い、困ったことがなどがたくさん見つかってきたそうです。バリアフリーを打ち出しているホテルに泊まっても、シャワーヘッドが高い位置にあったり、前かがみになることができないので洗面台の蛇口が遠くて顔を洗えなかったり、ささいなことで困ることがたくさんあるそうです。そのホテルも、健常者が車椅子にのってチェックしたそうなのですが、それだけでは気づかないことがたくさんあるようですね。
どれだけホテル側が費用を投じて「バリアフリー」を謳っても、これでは三方良しには程遠く、強みとしてビジネスにも繋がらない…ギャップによる不満足へと繋がってしまいます。
SDGsに取り組む全ての企業の方へ
誰も取り残さない社会のために商品やサービスの開発を行う場合は、ぜひ当事者の人と一緒に作っていってほしいと思います。Macoさんは、意見もズバズバ言ってくれそうですし、ご連絡いただければおつなぎします。多分、いろいろなマイノリティの人たちは本当はやりたいことがあっても我慢していた人が多いと思います。当事者はちゃんと伝える必要がありますし、社会は声を上げやすい環境、小さな声でも消えてしまわない環境を作っていく必要があると改めて感じました。
是非、これを機会にそのSDGsに「当事者」は存在しているか?確認し直してみてください。