サスティナブルなアートイベント「奥能登国際芸術祭2020+」

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SDGs

From:SDGsジャーナル 河上伸之輔

石川県の能登半島の最北端、珠洲市で「奥能登国際芸術祭2020+」というアートイベントが開催されています。珠洲市は、2018年にSDGs未来都市に選定されました。その取組の一つが今回開催された芸術祭です。2017年に第一回が開催され、3年に1度の開催を予定しておりましたが、昨年は新型コロナウイルスの感染拡大のために開催を延期し、2021年9月4日から11月5日の会期で開催されています。

今回、能登での講演があった翌日に奥能登国際芸術祭2020+を堪能してきました。大変、サスティナブルなコンセプトが詰まったイベントだと思いますのでご紹介いたします。

珠洲市全域に53組のアーティストの作品が点在

最も特徴的なこととして、アート作品が珠洲市全域に散らばっています。作品を見ようと思ったら、自然と珠洲市のいろいろな場所を訪れることとなります。地元の商店や飲食店を利用したり、能登の自然を楽しむこともできます。

作品は海岸や自然風景を利用した大型の屋外インスタレーションも多くあり、そこでしかできない体験となります。

使われていない施設を利用

展示スペースを携帯電話のマップで検索すると、旧清水保育所、旧日置小中学校グランド、旧日置公民館、旧高砂湯、旧正院駅、旧漁具倉庫、旧瓦工場、旧中央図書館と今は使われなくなった施設が活用されています。

人口が急激に減少していくなかで、使われなくなった公共施設を利用しています。アートスペースとして定期的に活用することでメンテナンスを行うこともできます。また、会期終了後に撤収する作品もありますが、そのまま設置される作品もあり、新たな観光資源となりますし、これから続いていく芸術祭で過去の作品を見ていくこともできます。

ボランティアが大活躍

展示スペースが点在しているということはスタッフもたくさん必要になります。そのスタッフの多くはボランティアサポーターが行っています。会場を回ると受付や誘導などでたくさんのボランティアサポーターのみなさんが活躍されていました。

しかし、ボランティアサポーターの仕事はそれだけではありません。実は作品作りにもサポーターの皆さんが関わっています。屋外での大きなインスタレーションや、施設の空間全てを使ったもの、また珠洲市で行った長期間の活動の記録自体が作品となっているものなど、ボランティアサポーターの皆さんの協力で作品が作られています。

珠洲市の人だけでなく、作品作りのために県外からも来られるボランティアサポーターの方もいらっしゃいます。国内外の有名なアーティストと協働で作品を作るという経験は楽しそうです。

最後に僕の個人的な好みで作品をご紹介します。53組のうち10組くらいしか見ることができなかったので、他にも面白い作品がたくさんありますが、2つだけご紹介。

クジラ伝説遺跡 トゥ・ウェイチェン(台湾) 旧日置小中学校グランド

SDGs体調10メートルくらいのクジラの骨の遺跡です。大変綺麗な形で残っており、遺跡にはスコップやブラシなど発掘された時のそのままのような状態です。遺跡の前には、遺跡の歴史的な背景などの説明が日本語と英語で記載された案内があります。

でも、このクジラの骨をよく見てみると、大きな足があります。尻尾と同じくらいの大きさの足が。

実はこれはフェイクニュースでした。あまり調べずに行ったので、ネットで検索してやっと気づくことができましたが、発掘された際のテレビ番組のようなものも流されており、手の込んだフェイクでした。

植木鉢 大岩オスカール(フランス/アメリカ) 旧正院駅

SDGs廃線となった鉄道の駅のホームを利用して作品が展示されています。植木鉢というタイトルですが、1つの植木鉢が直径2〜3メートルくらいはありそうな大型の植木鉢で、植えられているのは紅葉やサルスベリなどの木です。この植木鉢は、地元の焼酎蒸留所からいらなくなったタンクを利用しています。

もともとこのあたりは桜の名所となっており、春にはたくさんの人が訪れますが、今回の植木鉢には秋に紅葉が美しい木が植えられており、秋の紅葉狩りの名所にしようという取組です。

ぜひ、現地で体験してください。

奥能登国際芸術祭2020+

https://oku-noto.jp/ja/index.html

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