こんにちは!金沢大学4年生
SDGsジャーナルでライターデビューの新人、大津です!!
今回は制服リユースリクルさんに取材に、SDGsジャーナル代表河上さんのアシスタントとして同行させていただきました!
リユースとは、「そのままの形で再利用する」こと。
環境問題に関心のある方なら、リデュース(Reduce)・リユース(Reuse)・リサイクル(Recycle)の「3R(スリーアール)」は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
今回ご紹介するリクルさんはなんと!
全国的に広まりつつある学生服のリユース(再利用)を、石川県で初めて行ったお店なのです!
SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」ですね♪
店頭には預かった制服を1着ずつ、ポケットのホコリを取ったりほつれや痛みを確認したり、お直しされたものが並んでいます。
リクルさんについては、以前より名前だけ知っていて、制服のリユースやってるところが金沢にもあるんだ〜くらいの認識でした。
でもちょうど先日、中学生の時の制服がクローゼットに眠っていることを発見して、「これメルカリで売れないかな?」「でも制服って学校指定とかあるしな…」と考えて調べていたこともあって、自分にとってタイムリーな話でとてもワクワクでした。
それではリクルさんへのインタビューをご覧下さい!!
実際お会いしてみて、リクルの店長池下さんの第一印象は、可愛いらしい女性でした。
取材を受けることに緊張されていたようで、同行されていたお友達に緊張をほぐしてもらっていたほど、、、
しかし、いざ撮影がスタートすると、落ち着いた様子で事業内容の説明をされていました。
実は石川県は、学制服指定の学校が他県よりも多い「制服県」なのだそうです。
全国の公立小学校の制服使用率は約15%であるのに対し、石川県はなんと約86%!
全国的には制服リユースのお店はあるものの、石川県ではリクルさんが初めて。
小学校だけでなく幼稚園から高校まで、地域や学校によって様々なデザインの制服があるのですが、店頭だけでも4000着以上!
金沢市だけでなく石川県内各地からリクルさんの制服を買いに訪れる方がいらっしゃるそうです。
リクル開業のキッカケ
池下さんがリクルを始めたきっかけは、ご自身のお子さんが遊んでいて制服を破いて帰ってきたことでした。
また新品を買うのは高いし、中古を探したけど取り扱っていないリサイクルショップばかり、、、
探し歩いたものの、結局その時は新品を買うしか方法がなかったそうですが、通常、新品で中学校の制服を購入すると、セーラー服で18000円、スカートで14000円。これは少なくない出費ですね…。
そこで初めて、中古の制服を安く買うことができれば助かる人が多いのでは?と思いついた池下さん。
捨ててしまうくらいなら、必要なご家庭に提供して長く使ってもらった方がいい!勿体無い!そんな気持ちから、使わなくなった制服を必要なご家庭へ譲る”橋渡し役”となるため、制服リユースリクルを始めたそうです。
使わなくなった制服を必要な人へと渡す…これは、制服の「おさがり」を着る習慣と似ています!
兄弟の制服の「おさがり」を着ていた!という方もいらっしゃると思いますが、最近では「おさがり」を譲り受ける習慣が少なくなっているようですね。
池下さんが学生の頃は、制服は兄弟だけでなくご近所さんからの「おさがり」を着ている子も多かったそうです。
また、特に成長期の男の子の学生服選びは難しく、背が急に伸びる事を見越して入学時にブカブカの制服を購入されるご家庭も多いそうです。(今思い返すと私のクラスの男の子でも、ブカブカの制服を着ている子がいました)
でもだからといって、数年間しか使用しないものにお金をかけるの大変。。。
本当はその都度、子どもの体にあったサイズの学生服を着させてあげたいけど、経済的に余裕が無くてごめんね、という気持ちでいるお母さんも少なくないそうです。
愛情から生まれた価格設定
リクルさんでは通常価格の3分の1程度で購入可能。
つまり新品セーラー服1着の値段で、2着、3着と学生服が購入出来ちゃうことになります。
また、購入ではなく制服のレンタルも行っていて、卒業式や試験の面接のためにお子さんの体にあった制服を一日レンタルすることも可能だそうです。
価格の設定には特にこだわっているそうで、池下さん自身がお子さんを持つ一人の母親だからこそ敏感に、「リアルなお母さんたちの悩み」を感じられているんだと思います。
多くのお母さんの悩みも解決できる、制服リユースリクル。
「あったらいいな」をご自身で形にしてしまうパワーの源は、母親の愛情だったんですね。
制服リユースから生まれる「まちづくり」への想い
「学生服を譲り、受け取ることでご縁をつなげる場所にしたい」と話す池下さん。
リクルが橋渡しとなっていろんな人との繋がりが増え、昔のような小さなおさがりの輪から、今度はさらに大きなおさがりの輪をリクルが作っていくことで、地域がもっと活発になることを願っているそうで、まさにSDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」とも合致しています!
しかし、譲り受けた制服たちも、傷みがひどいとお直しができないものもあるそうです。
新たなリユースの試み
せっかく譲ってもらったもの、お母さんたちの想い入れのある制服たちをなんとかリサイクルできないか?という考えと、お客さんから頂いたアイディアを元に学ラン・セーラー服をカバンにリメイクし、新商品として再び世に出すという試みもされていました。
制服としては使えなくなってしまったけれど、違う商品としてもう一度、二度と大切に誰かに使ってもらえたら。
制服を譲った人の想いと、池下さんの想いがつまった新商品。紹介されている時の池下さん顔は、とても優しい母親の笑顔でした。
最後に
制服のリユース・リサイクル・レンタルという、独自の「3R(スリーアール)」の取り組みを行っているリクルさんは、2018年12月に石川エコデザイン賞を受賞し、循環型社会に貢献しているということで地方自治体からも認められました!
現在では、情報を知ったお母さんたちが、能登や加賀方面からわざわざ買いに来られるそうです。
今後は地域ごとにアクセスしやすい事業所を増やして、もっと多くのお母さんたちの助けになりたい。さらなるご縁を繋げて、笑顔を増やしたいと、芯のある口調で目標を話してくださいました。
制服も、人の想いも、無駄にせず生かそうとする池下さんの姿勢に、お話を聞いていて心がじんわり、感動しました。
エコロジーな考えだけではない、お母さんの共感を呼ぶリクルの取り組みは、今後さらに広がっていきそうです。
制服リユース「リクル」さんのHPはこちら