SDGsジャーナル【SDGs支援機構】

SDGsはクロスネジのようなもの

SDGs HONDA

 

From:SDGs支援機構 中村

私はHONDAが大好きである。

おいおい、SDGsの話じゃないの?そうお思いかもしれませんが、少しだけお付き合いください。

私がオートバイに乗っているのもあるのですが、何より創業者である、本田宗一郎さんと藤沢武夫さんが大好きです。

 

そんなお二人が作られたHONDAが1952年だったか、大量の在庫を抱えてしまって経営危機に陥ったことがあります。

 

この時、経営を一手に引き受けられていた藤沢武夫さんは、金に関する算段については、任せてくれと、本田宗一郎さんを海外の工場見学やマン島TTレースの視察でヨーロッパに追いやってしまいます。

後に、本田宗一郎さんが、ヨーロッパのレースや色んな工場の視察を終えて戻ってきたときの話です。彼は、無駄なお金は1円も使わずに、タイヤだのチェーンだの、ヨーロッパメーカーの色んな部品を持ち帰ります。

 

その中の一つに、ヨーロッパから持ってかえってきたのがクロスネジでした。

クロスネジとは?

クロスネジ、ご存知ない方もいるかと思うので少し説明すると、ネジの頭がプラスになっているネジのことです。見たこともあるかと思います。今では、当たり前ですが、当時の日本には、ネジの頭がマイナス(横溝一本)のネジしかなかったんです。

マイナスネジだと、手で回すしかないので、一つの製品を組み立てるのに、時間がとてもかかってしまいます。日本全国どこの製造会社もマイナスネジしかないのですから、日本全体が工業という分野において世界と比較して数年、いやもっと遅れていた時代なのです。

このクロスネジをHONDAが開発して日本全国で販売すれば、それはそれは大きな儲けになる。普通の人ならそう考えます。でも後の世界のHONDAはこれを独占しなかった。

作り方を学んできた本田宗一郎さんは、ネジ製造メーカーに乗り込んで、作り方を教えてしまいます。そしてあっという間にクロスネジは日本全国津々浦々の製造業で使われるようになり、日本工業界の製造技術は持ち前の技術発展とともに、大変な進歩を遂げることになるのです。

ここでもしHONDAがクロスネジのパテントをとって、ライセンスで稼ぐようなことをしていたら、どうだったのか?多分、本田宗一郎さんには見えていたのだと思うのです。

クロスネジが当たり前になって、日本製品は家電にしろ、自動車、バイクにしろ、世界有数の技術を持つ国、技術の日本になりました。

この影響もあって、マーケットはものすごい勢いで広がったのは周知の事実です。(もちろん各メーカーが技術開発で抜きん出る努力をされたのが大きいのですが)

当然、マーケットが広がる中で、HONDA製品のシェア、売上も大きくなっていきます。

本田宗一郎さんは、クロスネジを独占するよりも、市場にその技術を解放することで、市場を切り開いた方が、世のため人のため、ひいては自社のためでもあることがよくよくわかっていたのだと思う。

私は、SDGsはこのクロスネジのようなものだと思ってます。

SDGsが企業にとって当たり前の世界となった時に、きっと日本の根本的な問題も解決するのではと考えています。地方創生、事業承継、地方での雇用の促進、企業のキャッシュフローなどなど。

 

なので、情報をどんどん出していく。思いつきのアイデアなど、今の段階で囲い込みするのはまだまだ早い。みんながSDGsの様々な情報に触れることで、お互いに切磋琢磨し、より良いものにしていく時期だと思う次第です。

そうすることで、誰もが取り組めるより良いものになる。きっと新しい秩序やルールが生まれてきて、より良い社会、環境になっていく。SDGsは国連で2015年9月に採択された世界が目指すゴールです。

クロスネジの技術だって、元々HONDAのものではない。それを肌でしっていた本田宗一郎さんは人様の技術で食べるという選択をしなかったところに、HONDAの企業文化の凄さ、素晴らしさがあると思う。

SDGsはクロスネジのようなもの。

 

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