SDGsジャーナル【SDGs支援機構】

SDGs企業事例|既存のビジネスをSDGsの視点で考える

SDGs

From: 中村洋介

先日の東京出張で、西新宿五丁目のホテルに宿泊しました。

そこで今回は、その際に宿泊したホテルさんを SDGsの視点で考えてみました。

宿泊をSDGs視点で考えてみる。とは?

連泊する際、私はベッドメイキング&清掃はなしでお願いしています。
歯ブラシ なども1回で捨てるのはもったいないので1日目のものを最終日まで使っています。

 

「ベッドメイクなし、アメニティ節約にご協力ください」とそのホテルさんもアナウンスしていました。

 

これは連泊するお客様に対して、

等の原価の削減に貢献します。
コスト削減の観点な のかなと思います。

 

同じ宿泊費であれば、1宿泊客あたりの粗利は向上するのだと思います。
それは、経営という視点、収益力向上という視点でも良い取り組みだと思います。

 

では、この取り組みをSDGsの観点で再構築するとどんな感じになるのだろ う。
そういう視点で考えてみました。

 

目の前の出来事を「SDGs」に通してみる

ベッドメイクなし、アメニティの 節約
この2つは、実はSDGsの以下のゴールに貢献して いるかもしれません。

ベッドメイクをしませんので、シーツの取り換えをしないのかと思います。
す ると、シーツを交換しませんので、そのクリーニング代が浮くわけですね。

 

これって SDGs7の「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」という部分 に貢献しているかもしれません。

 

また、中長期的な視点でこの取り組みを眺めてみると、無駄なエネルギーを使 わないとも言えますので、SDGs 13の「気候変動に具体的な対策を」、という 部分にも貢献しているかもしれません。

このベッドメイクなし、アメニティの節約は宿泊客の方々の意思表示が得られ て取り入れることができます。すると、その宿泊客のお客様は、SDGs7と13に 協力してくださるパートナーとも言えますので、 SDGs 17の「パートナーシッ プで目標を達成しよう」にも貢献しているかもしれません。

もう一つ、宿泊したお部屋の清掃の部屋数が減るわけですので、ホテルで働く方々にとっては、労働時間の短縮 ができるかもしれません。

早朝出勤 や、遅くまで勤務しないといけないような部分においても良い影響があるかもしれません。

働く従業員の皆さんの業務の簡素化が図られ、より働きやすい仕 事環境に貢献しているかもしれません。つまり、 SDGs8の「働きがいも経済 成長も」にも貢献しているかもしれません。

 

そういう視点で自分が宿泊したホテルの活動を自分なりにSDGsの視点で考え てみると色々見えてきたりします 。

 

このように、私は勝手にこのホテルさんの共感者になろうと思ったりするの です。(笑)

 

では仮にこのようなSDGsのいくつかが当てはまるとして、その 情報は発信し ていった方が良いのか、しないほうが良いのか?

 

今すでにやっている経営活動ですので、私がオーナーなら もちろん情報発信し ていきます。(もっとしかりと分析し、検証の上、裏どりはしますが)

 

自分のこのホテルのオーナーだったら、どういう情報発信をしようかって考え てしまいます。

 

おそらく、ホテルの全室に、ベッドメイクなし、アメニティ の節約が、上記に 掲げたSDGsの各ゴールに貢献しているということを情報発信すると思います。 それは各部屋に設置している TVモニターかもしれませんし、ドアの内側に張っ ている塩ビシートかもしれません。

 

次に、この取り組みは、ご宿泊いただいたお客様とのパートナーシップがあっ てこそ実現できるので、この事に対して、お礼のメッセージをお伝えする何か を配布するかなと。例えば、連泊のお客様にはミネラルウオーターを配布しま すので、そのペットボトルのラベル部分にも、貢献していただいているお礼の 言葉を記載するかもしれません。

 

最後は、この取り組みをSDGsの視点で整理して、ロビーやフロントにも控え めに掲載するかと思います。SDGsの7、8、13への貢献、それに協力いただ いている宿泊客様への17に対する感謝のメッセージ。

 

こういった情報発信をしていくと、経営上 、どんなメリットや効果があるのだ ろうか?

 

情報発信による経営上のメリット

 

お客様は(私自身もですが)、自分の普段の消費活動においてエシカルでありたい かの気持ちは大きいと思います。このホテルに連泊で宿泊するときは、進んで ベッドメイクなし、アメニティ節約に協力する 方も多いのではないかなと思い ます。

 

すると、1宿泊客あたりの利益率はますます向上します。 また、ホテル内で、SDGsの取り組みを情報発信することで、共感して利用しよ うと考えてくださるお客様は、増えるかもしれません。

 

ひょっとすると、SDGsの活動として共感してくださるお客様のリピートや、 口コミによる新たな新規のお客様の予約が入るかもしれません。

 

もしかすると、この共感によるお客様の支持が、価格競争することなく、優良 なお客様を確保し続けることのキッカケになるかもしれません。

 

安売りをせずとも、適切な値付けでホテル運営ができるかもしれません。

事業の収益力はますます向上し、そこから新たな設備投資や、働く従業員さん への報酬としての還元、あるいは、事業収支の一部を寄付することだってでき るかもしれません。

従業員の方々もSDGsへ自社のホテル運営は貢献している んだ!と実感できれ ば、より主体的に、積極的に働いてくださるかもしれません。

 

そういう風に、どんどん思考は未来志向、長期志向になってい きます。

 

SDGsの企業の取り組みは、今の自社の経営をSDGsの視点で再構築して情報発 信していく、継続的なファーストステップ としての フォアキャスト思考 と、最終的に達成したいゴールから事業や自社を見つめ直すバックキャストの2種類 があります。

 

まずは、自社が今行なっている事業を SDGsの視点で見つめ直し、再構築して みることで、より多くのステークホルダーから正しい理解 や応援を得られるか もしれません。

そういった成長のチャンスが日本企業の多くにあるのだと私は考えておりま す。今回の東京出張では、SDGsについて様々な知見や参考となるヒントをたく さん得ました。

 

PS

今、SDGsに関心を持っておられる企業様に、 SDGsについて正しい理解をし ていただくための、会社見学会を9月4日(水)に開催します。

自社の経営をSDGsの視点で見つめていくことそのものに、大きな未来への価値があると考えています。

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