SDGsジャーナル【SDGs支援機構】

SDGsと企業経営

SDGs

From:中村洋介

行きすぎた資本主義経済の終焉と企業の存在意義

行きすぎた資本主義経済は、株価を上げるためだけの経営を誘導してしまいました。

世界中 で起こる粉飾決算などの不正行為、ガバナンスの低下ともいえる、サプライチェーンでの事故(ラナプラザの悲劇など)。これらの影響で起こった業績低下などは、偽りの経営が蔓延 し、短期的な株価上昇だけを意識しすぎた企業が、自社の企業価値を「正しく」向上しない ままの経営を続けてしまった結果だと言えます。

先日、米国経済では一つの転換点を迎えています。
株価を意識しすぎた企業経営に警鐘をな らす意味で、米国大手企業の CEO らが所属する団体「ビジネス・ラウンドテーブル」は 2019 年 8 月 19 日、企業のパーパス(存在意義)について新たな方針を発表しました。

これまで 20 年以上掲げてきた「株主至上主義」を見直し、顧客や従業員、サプライヤー、地域社会、株 主などすべてのステークホルダーを重視する方針を表明したのです。

181 社の CEO が署名 した今回の見直しについて、同団体は「時代に合わせ、⻑期的視点に立った方針に変更した」 と見解を示しています。(出典 サステナブル・ブランド ジャパン編集局=小松遥香)

このことは、今後日経平均への影響、ひいては、日本企業の存在意義を見直さざるを得ない 新たな転換点かと思います。

このような社会環境の大きな変化を受け、SDGs が本来持つ、⻑期的な視点、持続可能な目 標設定という捉え方、考え方、社会、環境にも配慮した経済成⻑は、今後ますます企業経営 においても重要なキーワードになってきているのだと思います。

SDGs は日本の中小企業にとって役に立つのか?

では、日本の中小企業が SDGs に取り組む意味はあるのでしょうか?
短期的な視点で考えると、どうしてもそう考えてしまうかと思います。

こういった声が聞こえてきそうです。日本企業の経営者はそれこそ寸暇を惜しんで仕事に、 日々の経営業に打ち込んでいます。⻑期的な視野に立ってといわれても、という気持ちは私 も同じ企業経営者なのでよく分かります。

 

これから少し流し話になりますが、日本の中小企業が SDGs に取り組む価値は、自社の企業価値向上という意味でも十分あります。日本企業の多くは、世界の企業と比較しても、本 業で稼ぐ力が弱いというデータがあります。

 

つまり、懸命に事業に打ち込んでいるのに、世 界中の企業と比較しても、それほど儲かってはいないということです。それは、企業価値を 判断する ROE や ROIC という経営指標の低さに数字で表れています。

SDGs の企業の取り組みは、⻑期的視点に立った場合、端的に申し上げると、上記のような 日本の中小企業が⻑年抱えてきた、本業での稼ぎが低いという問題を解決する可能性を持 っていると言えます。

 

PS

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