From:SDGsジャーナル 深井宣光
SDGsの認知が高まるにつれて
製品によっては
素材に〇〇を使っているのは「悪」
だから「排除しよう」「ゼロにしよう」
という動きが活発になってきています。
その1つが「ペットボトル」です。
ペットボトルをゼロして
誰もがマイボトルを使用。
確かにそれも1つの解決策です。
しかし、本当に選択肢は
それだけでしょうか?
例えば
これまでのペットボトルは
持続可能な社会に適していなかったとしても
現状の課題を解決するために
改善・改良されたペットボトルが
あるとしたらどうでしょうか?
そして、
マイボトルに移行することには
理解を示せていない、行動できない人でも
そう言った商品を選び、適切に処分し
リサイクルには取り組めるとしたらどうでしょうか?
持続可能な社会に
現状のままでは適していないものを
排除やゼロにするだけでなく
生まれ変わらせる。
この視点にも、SDGsとビジネスの加速に
大きな可能性とヒントが隠れていそうです。
ですので、今回はそんな事例をお届けします。
100%リサイクル可能なペットボトル
実は今年3月9日から、コカコーラが天然水「いろはす」に100%リサイクル可能なペットボトルを使用しているのをご存知でしょうか?新型コロナの感染拡大の影響で知らなかった方も多いかも知れませんね。
↓100%リサイクルの取り組みを紹介しているアニメはこちら↓
コカコーラは世界経済フォーラムで「現段階では今後もパッケージにペットボトルを使い続ける」という宣言をしています。
ですがその一方で、このようにアクションプランも発表していたんです。
コカ・コーラシステムでは、「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」の実現を目指すグローバルプランに基づき、容器由来の廃棄物の問題解決に向けた「容器の2030年ビジョン」を策定しています。2019年7月には、2030年までに「ボトル to ボトル」の割合を90%にまで高め、全ての自社製品のPETボトルの原料を100%サスティナブル素材(リサイクルPET樹脂または植物由来ペット樹脂など)に切り替えることなどを柱とした新たな環境目標を公表し、日本国内におけるプラスチック資源の循環利用の促進に取り組んでいます。
今回の「いろはす」の100%リサイクル可能なペットボトルは、そういった流れの具体的アクションが日本でも本格的に始まりだしたことを示しています。
100%リサクルを実現する「ボトル to ボトル」とは?
使用済みのペットボトルを回収・リサイクルして、新たなペットボトルに生まれ変わらせる循環型の仕組みです。
で、それによってどんな効果があるの?
年間、自動車4,000台分のプラスチック削減
石油から新規に製造されるプラスチックの使用量を大きく削減できる為、環境負荷の低減に繋がります。
ペットボトル1本あたりのCO₂排出量を49%削減
従来のペットボトルに比べCO₂排出量を49%削減することができます。
課題解決は柔軟に
いかがでしょうか?
もしかしたら、それでもこんなことやっていないで今すぐペットボトルをゼロにすべきだ!そう思う方もいるかも知れません。
ですが、BBCの取材に対しコカ・コーラのサステナビリティ責任者である
ベア・ペレスさんが
**消費者なくしてビジネスは成り立たない**
**より環境に優しいパッケージにシフトしていくには**
**消費者も共に変わらなければならない**
と言った言葉の通り、「消費者なくしてビジネスは成り立たない」すぐには変わることができずにいる消費者と共に変わっていくことが必要。
この視点もその通りだと思います。
白か黒か、善か悪かの二者択一ではなく、第3の選択肢を考えてみることで、思わぬ解決策が見つかるかも知れません。
ビジネスとSDGsを両輪で加速するための第3のアイディアを、あなたのビジネスでも是非考えてみませんか?
PS
日本中が困難に思えた課題解決商品にもアイディアのヒントが詰まっています。
是非こちらの記事も併せてご覧ください。
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