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- 1.SDGsアクションプランとは?
- 1-1.最初のアクションプランは「いつ、どこで出来たのか?」
- 1-2.持続可能な開発目標(SDGs)推進本部とは?
- 2.アクションプラン2019概要
- 2-1.「3つの柱」と「8つの優先分野」
- 2-2.日本ならではの「SDGsモデルの構築」とは?
- 3.「3つの柱」とは?
- 4.1つ目の柱「SDGsと連動するSociety5.0の推進」
- 4-1.SDGs経営/ESG投資研究会とは?
- 4-2.Society5.0とは?
- 5.2つ目の柱「SDGsを原動力とした地方の創生」
- 5-1.SDGs未来都市
- 5-2.各自治体が行う支援制度
- 6.3つ目の柱「SDGsの担い手としての次世代や女性のエンパワーメント」
- 6-1.エンパワーメントとは?
- 6-2.次世代と女性の為に何をするのか?
- 6-3.「次世代のSDGs推進プラットフォーム」とは?
- 6-4.WAW!に注目!!
- 7.まとめ
SDGsについて調べ始めた時、これまで耳慣れなかった横文字の言葉が沢山出てきて戸惑った方は多いのではないでしょうか?
- デベロップメント?
- アイコン?
- ホイール?
- 2030アジェンダ?
わかるようでわからない…
この記事は、そんなキーワードの内の一つ「SDGsアクションプラン」がわかるようになる記事です。
- そもそも「SDGsアクションプラン」とは何なのか?
- 「アクションプラン2019」ということはそれ以外にもあるのか?
等々の疑問。
そして、とにかく「SDGsアクションプラン」には普段の生活には馴染みのない横文字がとても多いのですが、公表資料ではそれらの定義や詳細解説は省かれているので、
これから前編、後編に分けて「アクションプラン2019」にまつわる疑問を解消していきます。
日本政府が具体的に推進しているポイントを押さえることは、様々な行政支援をうまく活用することにもつながるので、SDGsに取り組む中小企業必見です。
SDGsアクションプランとは?
一言でいうと、
「SDGs実現の為に、一体日本政府は何をやるのか?」
その答えを記した青写真です。
最初のアクションプランは「いつ、どこで出来たのか?」
SDGsアクションプランは、2017年12月に開催された持続可能な開発目標(SDGs)推進本部*「第4回推進本部会合」において「SDGsアクションプラン2018」として決定しました。そしてその後、翌年2018年6月「拡大版SDGsアクションプラン2018」に改訂され「アクションプラン2019」が決定するまでの半年間、日本政府の取組みを具体的に指し示してきました。
持続可能な開発目標(SDGs)推進本部とは?
2016年に日本がSDGsを率先して取組む為の体制づくりとして設置され、推進部の構成員は、全閣僚。
- 本部長 内閣総理大臣
- 副本部長 官房長官、外務大臣
というまさに日本国のSDGsにおける大本営と言えます。
それでは、「アクションプラン2019」の概要を見ていきましょう。
アクションプラン2019概要
「3つの柱」と「8つの優先分野」
アクションプランの内容は、日本ならではの「SDGsモデル」*を構築するための「3つの柱」と「8つの優先分野」で構成されています。
日本ならではの「SDGsモデルの構築」とは?
この言葉は、平成29年12月26日 に開催され第4回SDGs推進本部会合の場で安倍総理から発言されたもので、「SDGs実現の為に、一体日本政府は何をやるのか?」を一言で表しているものです。
その際の安倍総理の発言は以下の通りです。
「我が国は、SDGsの推進を通じて、創業や雇用の創出を実現し、少子高齢化やグローバル化の中で実現できる豊かで活力ある未来像を、世界に先駆けて示してまいります。そのため、日本ならではのSDGsモデルを構築することとし、第2回会合で決定したSDGs実施指針における8つの優先分野に総力を挙げて取り組む上で、この度、SDGsアクションプラン2018を策定しました」。
(引用:[平成29年12月26日 持続可能な開発目標(SDGs)推進本部 | 平成29年 | 総理の一日 | 総理大臣 | 首相官邸ホームページ](https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201712/26sdgs.html)より)
SDGsモデルを構成する「3つの柱」と「8つの優先分野」は、SDGsの17項目の目標(ゴール)とターゲットの関係と同じと考えると、とてもわかりやすいです。
- 大きな方向性を示しているのが→「3つの柱」
- それを具体的行動まで落とし込んだものが→「8つの優先分野」
政府公表資料では、細かな用語解説等が省かれているのでSDGsに取組みだした時は理解できるまでに混乱するかもしれませんが、このようにシンプルに構成されています。
「3つの柱」とは?
1つ目の柱「SDGsと連動するSociety5.0の推進」
1つ目の柱では、大企業だけでなく、中小企業へのSDGs取組み強化が掲げられており、その中でもキーワードとなるのが、
- SDGs経営/ESG投資研究会
- Society5.0
の2つです。
中でも「SDGs経営」についての取り扱いは2018年の拡大版アクションプランよりも具体的にクローズアップされてきたのが大きな特徴です。
SDGs経営/ESG投資研究会とは?
2018年11月22日 経済産業省より立ち上げの目的を「如何にして経営にSDGsを取り入れ、ESG投資を呼び込むか」そう明言されてスタートしました。
企業がSDGs経営に取組むことで企業価値を高め、ESG投資による資金を獲得。
↓
獲得した資金によって企業が発展。
↓
世界の目標実現が加速。
つまり、ビジネスが発展すればするほど、社会が潤う仕組み作りの研究会と言えます。
ボランティアによる資金ではなく、ビジネスの成功によって世界を救う持続可能な世界の目標実現がスタートしています。
「ESG投資が拡大する合理的な理由」については、是非こちらを合わせてご覧ください。
近年、投資の世界においてESG投資という言葉を聞くことが多くなってきました。E(環境)S(社会)G(ガバナンス)などに配慮した経営を行っている企業に投資をしようという動きです。2019年現在で世界中を駆け巡る投資マネーは約1京円程度。1兆円の1万倍です。その内4分の1、実に2500兆円がESG投資を行っているといいます。これはなぜか?年金基金がESG投資を行う合理的な理由これは投資を行う人々が社会に貢献したい、などの理由もありますが、実はESG投資を行う方が長期的には投資成績がよくなるだろうという合理的な... 「ESG投資が拡大する合理的な理由」 - SDGsジャーナル【SDGs支援機構】 |
Society5.0とは?
それがSociety5.0です。
Society1.0 狩猟社会
Society2.0 農耕社会
Society3.0 工業社会
Society4.0 情報社会
というように人類が発展して辿り着いた5番目の社会の姿です。
こちらのソサエティ5.0政府広報特設サイトでもわかりやすい解説動画をご覧頂けます。
2つ目の柱「SDGsを原動力とした地方の創生」
SDGs未来都市
2つ目の柱の中心にあるのが「SDGs未来都市」
SDGs未来都市とは、SDGsの17項目の目標に合致する素晴らしい取り組みを行なっている地方自治体を「SDGs未来都市」として認定するもの。
地方自治体がお互いの取り組み事例を活かして、SDGsの拡大機会になることを政府が狙って、全国29の自治体が未来都市に認定されました。
各自治体が行う支援制度
政府の掲げる2つ目の柱の流れに沿い、全国の自治体が様々な中小企業支援を開始し始めています。
その1つが2019年1月18日にスタートしたばかりの「かながわSDGsパートナー」
神奈川県が行う中小企業支援で、神奈川県と連携してSDGsの推進PRを自社の取り組みを通じて行うことができます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
SDGsに取り組み始めたけれど、結局PRには活かせていない神奈川県の中小企業様へSDGsに取り組んでいる企業これからSDGsに取り組もうとしている企業両方の全企業必見の速報です。From:SDGs支援機構 深井宣光2030年に向けた世界の目標SDGs。持続可能な世界のために自分たちの会社もSDGsをやるぞ!と頑張って取り組み始めたものの、まだまだ世間では認知の低いSDGs。「SDGsって何?」と聞かれてうまく説明しようと思っても、「いや、持続可能な世界のための目標で、17個あって、、、国連で決まって、2030年までにその、、、、... SDGs速報|2019年はあなたの企業をSDGsでPRするチャンス!|期間限定募集開始 - SDGsジャーナル【SDGs支援機構】 |
3つ目の柱「SDGsの担い手としての次世代や女性のエンパワーメント」
また知らない横文字か…
横文字はもう勘弁してくれ…
そう思う方もご安心ください。まずは横文字の解説から参ります。
エンパワーメントとは?
権限を与えること。力を与えること。自立性。という意味の言葉で、アクションプランの3つの柱で使われるエンパワーメントは、
SDGsの担い手としての次世代や女性の「活躍できる環境」という意味合いで解釈するとわかりやすいです。
次世代と女性の為に何をするのか?
アクションプラン2019の3つ目の柱のポイントは、
- 次世代に対しては、「次世代のSDGs推進プラットフォーム」 の始動。
- 女性に対してはWAW!の開催です。
(またまた横文字のWAW!についてはこの後解説するのでご安心下さい。)
「次世代のSDGs推進プラットフォーム」とは?
プラットフォーム(platform)は英語で舞台や場のことを指します。
つまり、「次世代*のSDGs推進プラットフォーム」とは、「次世代がSDGsを推進していく舞台」と解釈するとわかりやすいです。
*「次世代」とは、2030年以降にSDGsを推進していく世代のことを指しています。
- 政府
- 国際機関
- 経済界
- 市民社会
が協力して「次世代がSDGsを推進していく舞台」を作ろう!という目標が「次世代のSDGs推進プラットフォーム」です。
具体的な活動例としては、
- 『次世代のSDGs推進に係る宣言』を取り纏めの上,様々な機会を捉えて発信。
- WAW!等の機会に,他国の次世代と交流。
などが挙げられています。
WAW!に注目!!
さて、またまたの横文字「WAW!」です。
なんと読むのか?
World Assembly for Womenの頭文字をとった略称で「ワウ!」と読み、日本語では「国際女性会議」と言います。
どんな会議?
WAW!は安倍政権の掲げる「女性が輝ける社会」の実現の為に2014年から毎年開催されていて、世界中の国々から集まった、多種多様な分野の女性リーダー達が女性のエンパワーメントと活躍の為に議論交わし合うものです。
なぜ2019年「WAW!」に注目なのか?
それは、開催5回目の今回初めて、
「女性に関する政策提言をG20に向けて行う組織体」WOMAN20(通称W20)の会合とWAW!の同時開催が決まっているからです。
目的であるテーマは「女性の経済的活躍」で、外務省公表でも
女性活躍推進の取組を世界に広くアピールすると共に,国内外において女性活躍推進の機運を更に高まることが期待されています。
と発表されています。
今年3月に開催される、第5回国際女性会議WAW!/W20の詳細はこちら
まとめ
このように「SDGsアクションプラン2019」の要となる3つの柱。
この3つの柱のポイントを押さえておけばまずは日本政府の目指そうとしている「SDGsモデル」の概要を押さえられたことになります。
後編では、具体的にどのような行動を行なっていくのかを示した「8つの優先分野」についてお届けいたします。
PS
PPS