目標11 「住み続けられるまちづくりを」とは?
この目標11は、「包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都 市及び人間居住を実現する」のテーマのもと、10個のターゲットから構成されています。
「強靱(レジリエント)で持続可能な都市」とは?
目標11のテーマに含まれる「強靱(レジリエント)」というこの言葉は、SDGs目標9「強靭(レジエリエント)なインフラ」でも出てくるのですが、あまり私たちの普段の生活では馴染みのない言葉ですよね。
SDGsの複数の目標で使われている「強靱(レジリエント)」という言葉は、壊れない強さではなく、いち早く元の状態に回復できる力のことを差しています。
自然災害等にあっても、いち早く元の状態に回復できる持続可能な都市。
そんな都市の実現がこの目標11のテーマです。
「強靭(レジリエント)」については、SDGs目標9を合わせてご覧ください。
わかる!17の目標【目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう】
目標11を構成する10個のターゲット
11.1 | 2030年までに、すべての人々の、適切、安全かつ安価な住宅及び基本的サービスへのアクセスを確保し、スラムを改善する。 |
11.2 | 2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子ども、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、すべての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。 |
11.3 | 2030年までに、包摂的かつ持続可能な都市化を促進し、すべての国々の参加型、包摂的かつ持続可能な人間居住計画・管理の能力を強化する。 |
11.4 | 世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する。 |
11.5 | 2030年までに、貧困層及び脆弱な立場にある人々の保護に焦点をあてながら、水関連災害などの災害による死者や被災者数を大幅に削減し、世界の国内総生産比で直接的経済損失を大幅に減らす。 |
11.6 | 2030年までに、大気の質及び一般並びにその他の廃棄物の管理に特別な注意を払うことによるものを含め、都市の一人当たりの環境上の悪影響を軽減する。 |
11.7 | 2030年までに、女性、子ども、高齢者及び障害者を含め、人々に安全で包摂的かつ利用が容易な緑地や公共スペースへの普遍的アクセスを提供する。 |
11.a | 各国・地域規模の開発計画の強化を通じて、経済、社会、環境面における都市部、都市周辺部及び農村部間の良好なつながりを支援する。 |
11.b | 2020年までに、包含、資源効率、気候変動の緩和と適応、災害に対する強靱さ(レジリエンス)を目指す総合的政策及び計画を導入・実施した都市及び人間居住地の件数を大幅に増加させ、仙台防災枠組2015-2030に沿って、あらゆるレベルでの総合的な災害リスク管理の策定と実施を行う。 |
11.c | 財政的及び技術的な支援などを通じて、後発開発途上国における現地の資材を用いた、持続可能かつ強靱(レジリエント)な建造物の整備を支援する。 |
なぜ、目標11がSDGsに必要なのか?
世界中で現在都市部に暮らしている人の数は約35億人。
この数は世界の人口の約半分になります。
そして、この数はまだまだ増えていくとみられていて、なんと2030年には世界の人口約3分の2に当たる60%以上の人が都市部で暮らすことになると予測されています。
これだけ沢山の人たちが暮らす都市部を地震や台風の自然災害が襲ったら一体どうなってしまうでしょうか?
電気やガス、水道といった私たちが生きる為に欠かせないインフラが途絶えてしまったらどうなってしまうでしょうか?
密集した都市部は多くの人命が失われるリスクを抱えています。
更に、都市部が抱えている問題はそれだけではありません。
人が密集する都市部では貧富の差などからスラムと呼ばれる、犯罪の危険性がとても高い地域が生まれる傾向にあります。
貧富の不平等が犯罪の動機になり、治安が悪化することによって街が汚染されていくことにもなるという、まさに負の連鎖も起こります。
沢山の人たちが健康で快適に住み続ける為に、自然災害にも、人が人に起こすリスクに対しても「強靭(レジリエント)」な都市が必要とされています。
「住み続けられるまち」とは?
「住み続けられるまち」の答えは男性にとって、女性にとって、トランスジェンダーにとって、子どもにとって、大人にとって、老人にとって、障害者にとって、、
置かれている状況や、背景によっては大きく異なるかも知れません。
国連のUN WOMAN 日本支部の記事では、災害時における女性が犠牲になるリスクの高さを問題視していることからも、既に起こっている不平等や格差はどこにあるだろうか?という視点もなくてはならないと言えます。
そして、私たちの身近な生活を心地よくできる当たり前の挨拶や、地域の為の活動など、他者を思いやる小さな取組みから大切にしていくことが、この目標11の為には欠かせないとも言えるでしょう。
目標1から17までテーマに、身の回りで起こっている不平等や格差は無いか?の意見を出し合ってみると思わぬ目標11が見つかるかも知れません。
目標11 取組事例
お母さんの愛から生まれたSDGs
石川県金沢市の制服リユース「リクル」さん
こちらのお店では着られなくなった制服が、家族内だけではなく、地域で「おさがり」されていくユニークな取組みをされています。
その取組は2018年12月に「持続可能な社会への取組み」として、いしかわエコデザイン賞も受賞されるほど!
- オーナーさん自身がお母さんであるからこそ生まれた制服リユースとは?
- 遠方からも買いに来る方がいる制服リユースとは?
目標12「つくる責任 つかう責任」、目標11「住み続けられるまちづくり」に取り組まれているリクルさんについては、こちらのインタビュー記事で詳しくご紹介しているのでぜひご覧下さい!
PS
そもそもSDGsってなんだっけ?という方はこちらをクリック
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