目標1「貧困をなくそう」とは?
この目標1は「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」のテーマのもとに7個のターゲットで構成されています。
→ターゲットとは?
各目標実現の為により具体的に目標を示したもの。
目標1を構成する7個のターゲット
1.1 | 2030 年までに、現在 1 日 1.25 ドル未満で生活する人々と定義され ている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。 |
1.2 | 2030 年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、 すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。 |
1.3 | 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030 年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成 する。 |
1.4 | 2030 年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産 に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、 マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源につ いても平等な権利を持つことができるように確保する。 |
1.5 | 2030 年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリ エンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の 経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。 |
1.a | あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ 予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さま ざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。 |
なぜ、目標1がSDGsに必要なのか?
それは、7億を超える人たちが極度の貧困の中で暮らしているからです。
この数字は世界の人口のおよそ10%にあたり、10人に一人が貧困という事になります。
SDGsが定義する「貧困」とは?
世界銀行*で定められた国際貧困ライン。1日1.9ドル未満で生活している人のこと。
この国際貧困ラインは当初1.25ドルだったものが、2015年10月に1.9ドルに引き上げられました。
(*世界銀行とは?→貧困削減と持続的成長の実現に向けて、途上国政府に対し融資、技術協力、政策助言を提供する国際開発金融機関のこと。)
世界の貧困率と貧困層の数
世界の貧困率は1990年の36%から2015年には10%に減っています。
しかし、貧困に苦しんでいる人たちは今も世界中に7億3600万人もいます。
南アジアとサハラ以南アフリカの国々がこのうちの70%。
その他の50%を中国、インド、インドネシア、ナイジェリアが占めています。
貧困は発展途上国、後進国だけの問題に思われることが多いです。
しかし、実際は先進国でも3000万人もの子どもたちが今も貧困の中、暮らしています。
(参照:Regional aggregation using 2011 PPP and $1.9/day poverty line)
(参照:世界銀行「世界の貧困に関するデータより」)
貧困はなぜ起こるのか?
貧困の原因
貧困は、
- 失業
- 疾病
- ケガ
- 離婚
- 紛争
- 内戦
- 災害
- 教育問題
- 社会的孤立
といった様々な原因によって世界中で起こっています。
貧困問題によって起こるリスクとは?
紛争が原因で貧困した生活を送っている人たちもいますが、問題はそれだけではありません。
貧困した生活のせいで経済活動がうまくかなくなる。
政治に不満が高まることで紛争に発展(参照:170531 Why it Matters Goal 1 Poverty(EJ))
といった問題の原因にもなっています。
また、国連広報センター所長の根元かおる氏は、もはや私たち一人一人にとって他人事ではなくなっている事を、書籍の中でこのように伝えています。
今世紀に入って気候変動が猛烈なスピードで深刻化して人々の暮らしを直撃し、貧富の差が広がり、紛争の数が増え、難民・避難民の数が第2次世界大戦以降、最高の水準になっています。
このままではこの美しい地球を子・孫・ひ孫の代につないでいけない、という強い危機感のもと生まれたSDGsは、全ての国連加盟国が約束した、経済・社会・環境の側面を包括的に推し進めながら、2030年までにあらゆる形態の貧困に終止符を打つという非常に野心的な「世界レベルの社会契約」です。
目指すべき到達点から逆算して、あらゆるレベルのアクターが行動を起こさなければ、とても達成できるものではありません。私が色々な機会をとらえて「SDGsを自分ごとに」と強調しているのはこのような背景があるからです。
(引用:2018年紀伊国屋書店発売 編著(一社)Think the Earth)「未来を変える目標〜SDGsアイディアブック」P6より)
※太文字、蛍光線はSDGsジャーナル筆者にて。
このままでは「持続不可能」な地球を、「持続可能」な地球に変えていけるのは「人」でしかないからこそ、その命に関わる、この目標1「貧困をなくそう」は大きな意味を持っています。
取組事例
「おそなえ」から「おすそわけ」へ。おてらおやつクラブ
(出典:https://otera-oyatsu.club/download/)
2018年グッドデザイン大賞を受賞された、奈良県の特定非営利活動法人 おてらおやつクラブではとてもユニークなSDGs目標1の取組をされています。
仏様やご先祖さまへ「おそなえ」されたお寺にある食べ物を、「おさがり」として頂戴して、子どもをサポートする支援団体の協力により、「おすそわけ」するという活動で、おてらおやつクラブのHPではこの活動をこう紹介されています。
「おてらおやつクラブ」は、お寺にお供えされるさまざまな「おそなえ」を、仏さまからの「おさがり」として頂戴し、子どもをサポートする支援団体の協力の下、経済的に困難な状況にあるご家庭へ「おすそわけ」する活動です。活動趣旨に賛同する全国のお寺と、子どもやひとり親家庭などを支援する各地域の団体をつなげ、お菓子や果物、食品や日用品をお届けしています。※ 平成28年 国民生活基礎調査(厚生労働省)
(引用元:https://otera-oyatsu.club/about/)※太字、SDGs筆者にて。
全国に広がる取組
2014年1月に活動を開始したこの取組は全国に広がっていて、なんとその数、
全国 980寺院 393団体
おやつを受け取った子ども月間のべ約 9,000人(2018年11月現在)
(おてらおやつクラブhttps://otera-oyatsu.club/より)
今年3月時点では全国800寺院の参加だったのが、わずか8ヶ月で180寺院増えていることからも、この持続可能な取組みの広がりの勢いがみてとれます。
おてらおやつクラブではこの活動に参加する、お寺、支援団体の登録も随時受け付けていらっしゃいます。
おてらおやつクラブホームページはこちら
PS
そもそもSDGsってなんだっけ?という方はこちらをクリック
役に立ちました
この記事で僕の人生は変わりました。
僕は将来国際連盟で働きたいです。
好きなドレッシングは何ですか?
気になってたので役に立ちました
改めて役にたちました。
最近、ネットでもTVでも良く聞く「貧困」と言う言葉。気になっていましたが、あらためて意識でき、自分に出来るだけ力になりたいと思いました。
役に立ちました。
がんばろう