From:中村洋介
SDGsを導入することは、企業経営に好影響をもたらしてくれます。
なぜなら、SDGsは2030年の達成を目指した持続的な開発目標。
企業がSDGsの何かしらのゴールを掲げると、その達成に向けて長期的に取り組むことになるからです。
例えばSDGs8の「働きがいも経済成長も」を掲げた場合。
2030年までの長期に渡り、より良い活動にする為に企業は持続可能性を持って取り組む事になります。
つまりSDGsを導入する事で、掲げたSDGsの目標について経営者だけでなく社内全体に長期的な思考が定着します。
社員に「みんなも経営的視点を持って欲しい!」とどれだけ声高らかに言っても伝わらなかった長期的思考が自然に定着してような事が起きていきます。
そして、好影響はこれだけではなく…
長期思考は社員を会社の財産、「人財」にする
SDGsは、働く社員の人財能力を長期的に向上させてくれます。
なぜなら、より働きがいのある職場環境を実現するために、社員一人ひとりが継続的な努力を行うことで、人財能力が発揮されやすい職場環境を実現する事が出来るからです。
先程と同じように、企業が目標8を達成する為に、働きがいある職場を作っていこうと決めたとします。
すると、毎年何かしら職場改善のテーマを掲げて取り組むので、年を追うごとに職場環境が徐々に整備され、より働きがいのある職場が実現していきます。
すると、ここで働く社員には
- 社員満足度(ES)が向上し定着率が向上する
- 新卒採用で優秀な社員が集まる
- 高いスキルを持った社員が増えていく
といった連鎖が生まれていきます。
このような会社では退職者が減り、社員が辞めない経営体質が実現していきます。SDGsによる長期的な経営改善は、社員を「人財」に育ててくれると言えるでしょう。SDGsは経営資源の一つである「人」の価値を持続的に高めてくれる大きな可能性を秘めています。
社員が本業の稼ぎを高めてくれる
優秀な人財は、本業で稼ぐ力を高めてくれます。なぜなら、働きがいある職場を自分たちの努力で実現しているからです。
仕事が理由で会社を辞めることはありませんし、会社の仕事にやりがいも感じています。人財能力は以前より大きく向上しているはずです。
例えば、困難な経営課題にぶち当たっても、解決する力が向上しています。諦めずに取り組み、乗り越えていく力を発揮する社員が社内に多く在籍しています。
本業で稼ぐ力が弱いとなれば、本業で稼ぐ力を高めるために様々なアイデアが現場から生まれるはずです。
またそのアイデアを実行する力もSDGsに取り組む前段階より大きく向上しているはずです。
それでなくても、離職率は低下しているので、人材不足や、不足を補うために採用に余計な費用をかけたり、育成のための時間も必要ありません。
優秀な中堅社員が、新人の教育にかかりきりになって自分の仕事ができないなどという事態も起きないでしょう。
それだけでも、人にまつわる様々なコストは大きく改善し、採用費や教育研修費を含む販管費は少なくなるので、同じ売上、粗利であっても営業利益率は向上していきます。
つまりSDGsに取り組んだ会社では、優秀な人財が定着することで本業で稼ぐ力を高めてくれると言えるでしょう。
少し机上の空論のように見えるかもしれませんが、実際にSDGsを経営に取り入れて、このような事象を実現されている企業が存在します。
興味のある方はぜひご覧こちらをご覧下さい。
次回からは、SDGs経営を実践する上で、日本企業が持つべきもう一つの視点についてもお伝えしていきます。
PS
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